「痛み」という強い味方

私が今捧仕に用いている技術は

米澤浩が編み上げた

“らせん零”整法と名付けられているもので
 
これは

反発を呼ばない力の使い方をすることで

通常は手の届かない

患者の深部のズレを調整したり

滞りを開き

循りを促すものです
 
あとは

からだの修復力の仕事
 
ズレの調整というのも

力任せに直そうとすれば

やはりからだは反発するので

筋肉や靱帯、腱が余計に固く縮んでしまい

調整になりません
 
先日お見えになった方は

脚が浮腫んでますよねと
 
そして

傍目には私の脚にその方の脚を抱えているだけに見える状態で

それだけで浮腫が改善し
 
細くなって土踏まずが出てきたの判ります？
 
脚が軽い♪
 
ということが起こります
 
 
どなたでも

どんな状態にあっても

今の状態は

そのからだの最善で
 
しかも

からだは常に良くなろうとしていますから

その理に適うように促して上げれば

さらに勝手に良くなってくれます
 
今はこの“らせん零”整法しかほとんど使っていませんが

私がこの仕事を始めるに当たって

最初に学んだのは

橋本敬三先生編出の「操体」

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これの技術の胆は

快い方へからだを動かすことで

からだは勝手に良くなってくれる

という処
 
これは

ただからだだけの話では無く

思考行動すべてに言えることです
 
そしてその考えは

それ以前から哲学として学んでいた

野口整体にも通じるもの

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多くの方は

生活費を稼ぐ為などと言い訳をしながら

やりたくもないことを行っている為に

己のからだを蝕んでいます

私は小さい頃から

後先考えず

やりたいことだけやり

やりたくないことは極力避けて生きて来たので

真っ当な社会人のレールから外れた人生を送っております

が

何の後悔も無い

どころか

知命を半ば過ぎていますが

今がもっとも充実した毎日をおくっており

間違ってなかったなと感じています

そんな述懐はさておき

操体の胆である

「快い方へからだを動かすことで

　からだは勝手に良くなってくれる」

というのは

裏を返すと

「痛みから逃れる動き」

ということでもあります

動作による痛みというのは

“その動きが間違っている”という指標ですので

痛みがあるときこそ

からだの正しい動きを習得する絶好機となります

野口晴哉の次男ダン先生が常々

整体を受けに来るときは

皆正しい動きをしているのに

痛みが失くなると

おかしな動きになって帰って行く

私達は一体何をしてるんだろう

と自問されるように

動き方がからだの理に適っていないから

痛みが出ているのであって

その痛みを回避する動きこそが

からだの理に適しているのだから

痛みを失ることは正しいことなのか？

野口晴哉は

整体を

勢いを活かすもの

といった言い方をします

生きる力を十全に発揮出来る状態を

整体と言うのであって

ただ見た目に整っていたり

痛みや歪みが無い状態を言うのでは無い

勢いのある姿を姿勢というのですから

勢いが無ければ

生きる力がそこに無ければ

良い姿勢にはならないのです

痛みがあるのは生きている故で

辛くしんどいですが

痛みがある中で

その痛みを出さないように動くことで

動きを修正することが出来

そうして身に付けた動きこそが

操体であり

そのからだこそが

整体

間違っていけないことは

痛みや症状は悪では無く

私達の味方だということ

悪いのは

痛みや症状を出さざるを得ない状況にしてしまった

日々の行いです

その自省無くして

整体は無いのです